母乳育児を成功させるために、妊娠中から産後までのマッサージとケアを紹介しましょう。
妊娠20週過ぎから徐々にはじめましょう。遅くても30週過ぎたらケアを始めてください。回数は1日1回、入浴時などのリラックスしたときを選んでください。乳房への刺激はおなかの収縮をまねくときがあります。おなかが張ったらすぐにやめてください。下着はゆったりめで、胸を締め付けないものを選びます。発達過程の乳腺はとてもデリケートで、圧迫刺激だけでも乳腺炎を起こす原因になります。ワイヤーの入ったブラジャーは妊娠後期〜産後2〜3ヶ月はやめましょう。
お風呂に入ったとき、少し荒めのスポンジやタオルで、乳首の先をさっさっと乾布摩擦のように20〜30回かるくこすります。
乳首の先にはおっぱいの出る穴が20個ほどありますが(実際の授乳時にはこの中の6〜8本開けば十分です)その穴に詰まった汚れや繊維を取り除き、開口しやすくしておくとともに、皮膚を丈夫にしておきます。
赤ちゃんは1日に何度もおっぱいをくわえるので、赤ちゃんの唾液で乳首の皮膚がふやけてしまいます。そこに強い吸てつの力が加わるので、90%以上の初めて授乳のお母さんは、乳首の先の皮がむけたり、水ぶくれができたり、時に血豆ができたり、と痛い経験をします。
痛くても飲ませていくうちに治ってゆき、一度治れば、皮膚も強くなって、そのあとはできにくくなるのですが、でも、痛いのはつらいもの。このマッサージで少しでも皮膚を強くしておくことで、痛みを最小限に抑えることができるかも?しれません。
乳首の高さがないと授乳しにくいので、乳首の根元をつまんで、引き出すようにします。そのとき、根元を左右にひねりをくわえながら引っ張ると、開口を良くしてくれます。これも片方15回くらいやりましょう。
次に両手の人差し指を片方の乳房の下(ブラのワイヤーのあたる部分)の両サイドから深く差し込み、親指を上に伸ばして乳房全体を大きく深く底からつかみます。そのまま、ぐるぐると左右に大きく数回まわして、おっぱいの底からほぐすようにします。これは基底部にあるおっぱいを作るための血管を刺激し血行を促進させます。そのあと、下記の図のように全体をやわらかくほぐすようにマッサージします。
| 順序 | 手の方向 | 方法 |
|---|---|---|
| 1 | ![]() |
![]() 反対側の手でバスケットボールをつかむように指を広げて乳房を保持します。 |
![]() 同側の手の指先が顔の方に向くように立て内側に向けて力をいれます。 |
||
| 2 |
|
![]() 位置を下方にずらし反村側の手を斜めから乳房を保持します。 |
![]() 同側の手をその外側の周辺部分に当て、内側上方に向け、力をいれます。 |
||
| 3 |
|
![]() 乳房の下に反対側の手を当て乳房を保持します |
![]() 同側の手をその下万の周辺部分に当て上方に乳房をすくいあげるようにします |
乳首のマッサージあとか、前にこの乳房全体のマッサージを、片方2〜3分ずつ行ってください。この乳房全体のマッサージ方法は産後のマッサージの基本でもあります。
産後のマッサージは授乳後に片方2〜3分ずつ行います。上記の乳房マッサージのあと、少し絞っておっぱいを捨てておきます。絞って出ても、出なくてもいいのです。これがおっぱいをどんどん作る刺激になります。産後1ヶ月は授乳後毎回、それ以降は1日2〜3回、4〜5ヶ月以降、授乳期間中は最低でも1日1回は続けるのが理想的です。
| おっぱいの絞り方 | |
|---|---|
|
|
| 利き手で絞ります。反対の手は乳房の下から支えあげるように少し持ち上げ、親指と人差し指(中指も添えてよい)で乳輪の外側のラインあたりを対角線上にはさむように、しゅっしゅっとリズミカルに押す。 | |
産後は授乳前に、おっぱい全体が硬く張っていたら、上記の乳房マッサージを1〜2分ずつやって、たまった古いおっぱいを絞って捨てます(絞り方は上図参照)。
少し捨てて、乳首の周囲がやわらかくなったらOK 。赤ちゃんにおっぱいをあげましょう。赤ちゃんは乳首の周囲を絞るように吸いますから、乳首の周りが硬く張りすぎているとかえって飲めません。また、吸う刺激で新たに作られたおっぱいのせいで、たまっているものと一緒に大量に噴き出してしまうことがあり、赤ちゃんがむせてしまい、かえって飲みにくくなってしまうこともあります。少し捨てることによって飲みやすくなるのです。
捨てるのは片方1分程度で十分です。おっぱいは赤ちゃんが飲むとすぐ新鮮なものを作るので古いものをためておく必要はありません。
産後しばらくはよく張っていることが多いのですが、これは妊娠中に蓄積されていたホルモンの急激な作用のせいで、落ち着いてくると張りの少ない柔らかな普通のおっぱいに戻ります。これが、実は出来上がりのおっぱいで、赤ちゃんが吸ったらすぐ作るおっぱい。張らないからでなくなったのではありませんからご心配なく!!
とくに硬くなっていなかったら、そのままあげて、授乳のあとにマッサージをしてくださいね。