MOM--Japanese Family Support Organization
vすくすく赤ちゃん(21)

 いよいよ、赤ちゃんは幼児、と呼ばれる新しい世界にステップアップしてゆきます。

 1歳〜1歳半までには多くの赤ちゃんが一人歩きを始めるでしょう。はいはいしていた世界から、いきなり視野が広くなり、自ら進むことで赤ちゃんは自分自身で広く広く、無限に世界を広げ始めます。かわいい、かわいいではすまなくなる時代がやってきたのです。

 大人の思うようには動かず、本人のしっかりとした意思で自己を表現しようとし、行動をとろうとし始めます。すなわち、NOの始まりです。今まではお母さんや周りの受動態でした。これからは違います。ここではじめてお母さんは、「あぁ、寝ているだけのときがよかった」と思うことでしょう。

 言葉の発達も著しくなり、一生懸命言葉にするための声を出したり、大人の言葉を片言なりと真似て発音しようとしたりします。行動もしっかり見ていて、なんでも自分でやりたがります。でも、危険の判断もできませんし、自分の身をまもる判断もできません。時間の観念も、対人関係のルールも何も知りません。これはもちろん当たり前のこと。

 ところが、子供の行動範囲が広がり、NOの表現ができるようになると、お母さんは、今までのようにお母さんのペースで動けていたのに、しばしばそれを崩されるため、つい、いらいらしてきてしまいます。相手が何もわかっていないのは承知しているに、腹が立ってしまう、つい怒鳴ってしまう、時に手を上げそうになってしまう、こんな場面が出てくるのも、この時期からなのです。

 親のいらいらはよくわかります。どの家庭も必ず経験することです。これからが、親子関係の新しいステップであり、子供にとっては家族の中の宝物、という存在から、社会という広い世界での、一人の人間としての新しい学習と成長の段階に入ったのです。

 でも忘れないでください。まだ、この段階での知識はまったくの白紙です。いらいらしたとき、一歩下がって深呼吸してください。そして、ついこの間までは動けなかった赤ちゃんだったこと、思い出してください。今できることのすごさに気がついてください。この世に生まれてまだわずか10数ヶ月であることに気がついてください。

 そうして、今を受け止めてあげる。底から人間としての新しい教育が始まります。

 子供がさからう(ようにみえる)行動も、NOの表現も、すべては愛するあなたにこそ見せるものです。自分のできる、できた、したい、を大好きな大好きなお母さんに見せているのです。自分のすべてをお母さんに見せているのです。お母さんには困ったことも、実は愛しているよ!の表現でもありますから、ど〜んとおおらかに受けとめつつ、危険を取り除き、安全に努め、成長のめまぐるしい変化を見つめていってください。

 MOMはこれからもカナダで、世界でがんばるお母さんと子供たちを応援してゆきたいと思います。来月からは新しいシリーズのお話をしてゆきます。