MOM--Japanese Family Support Organization
vEnjoy マタニティ (3)
妊娠すると体はいろいろな変化をします。先月お話したつわりは90%以上の妊婦さんが体験する消化器系の変化ですが、他にもいろいろな変化が起こります。妊娠すると体内の血液循環量が増えます。乳房内は母乳を作る下準備として、子宮、膣周辺は出産の為に血液循環量の増大とともに皮下脂肪も増え、筋肉が柔らかくなってゆきます。中期から後期には乳頭や膣周辺の着色もみられます。また、骨盤周辺の組織も柔らかくなり骨盤結合部分が伸びやすくなります。これらの変化は赤ちゃんが生まれるとき産道を柔らかく広がりやすくするためのものですが、中期から後期にかけ胎児が大きくなってくると、重量からも負担となって腰痛の原因になります。後期には子宮が大きくなって内臓を圧迫しますので、肺や心臓を圧迫すると息切れや動悸が増え、腸を圧迫する事により便秘がちになったり、膀胱の圧迫から頻尿、尿漏れなども起こします。子宮は腹部の静脈を圧迫しますので下半身の血液循環が悪くなりやすく、そのため足の痙攣(こむらがえり)を起こしたり、静脈瘤を作ったりします。動悸、息切れがあまり激しい場合、心臓に負担が過度にかかっている場合がありますので、その場合は医者の診察が必要です。それ以外の症状は産後消失するのが普通で、特に心配は要りません。中期から後期は上記のような症状が出やすいので、姿勢を正しくし、(力をぬいて両肩を引くと自然に背が伸びる)、腰への不自然な加重を避け、適度な運動をし筋肉をほぐし、就寝時や休憩時は下半身を高くして下肢の血行を促進する事により予防、緩和できます。
また、ホルモン変化の影響から皮膚が過敏症になったり乾燥肌になったり、妊娠性掻痒症と言って体が痒くなる人もいます。
その場合、皮膚に冷水でパッティングしたり、保湿クリームや室内の温度、湿度や、衣類に注意したりして対処します。
また、髪の毛が抜けたり、口腔内が酸性になる事から虫歯になりやすかったりします。妊娠性歯肉炎といって歯茎が腫れて出血しやすくなります。歯磨きはこまめにしっかり磨いて出血は気にしないように。(歯肉にうっ血した血は出してしまった方が良い)
少ない例ですが、眼球の形が変化してコンタクトレンズがあわなくなることもあります。その場合、めがねに替えてください。
後期は水分代謝が悪くなるので、からだがむくみやすいので、指輪ははずした方が良いでしょう。
妊娠期間はわずか数ヶ月ですが、この短い間に体はこれほどの大きな変化を起こします。妊娠は病気ではない、という考えから周りの人達は妊婦の訴えを甘く受け止めやすいのですが、これら症状はどれひとつとっても、妊娠でなければ病気として扱われる症状です。それらが幾つも重なって経験する妊婦の精神的、身体的負担は相当なものなのです。周囲の人達の、特に夫や家族の深い理解と協力、サポートが大切です。